いわゆる寝違え・むち打ち

主に頚椎捻挫のことを指す言葉ですが、頚椎のヘルニアや神経根症や脊髄症などとは区別されます。むち打ち症はかつては交通事故後の首の症状の総称でしたが、今はあまり使われません。症状は後頭部から肩への痛みや違和感などです。原因は睡眠中の不自然な姿勢、交通事故の瞬間に筋肉が強く硬直すること、筋肉の阻血や痙攣、関節の炎症、疲労、上肢の使いすぎ、長時間の同じ姿勢などです。

予防や治療は、首を痛い方に動かさないようにし、症状に応じてシップ、飲み薬、注射、マッサージやリハビリなどを行います

いわゆる突き指

指に物が当たったり捻ったりしておきるケガのことです。突き指は放っておけば治ると軽く考えがちですが、骨や腱や靭帯が損傷していることがあるので、適切な時期に治療をしないと後遺症を残すことがあります。食事や繊細な作業には指先の精密な動きが欠かせません。変形や癒着がおきる前に整形外科専門医での診断を治療を受けることが大切です。

いわゆるぎっくり腰

急におこった強い腰痛の総称です。原因は様々ですが、腰に限界を超えた負担がかかって組織を損傷したり、きっかけのない場合もあります。場合によっては後から神経の麻痺を生じたり、骨折や腫瘍や感染などの重大な原因が潜んでいることもあるので、整形外科専門医で正しい診断を受けることが大切です。治療はまず痛みを緩和して日常生活ができるようにします。 一時的なコルセット、飲み薬やシップ、注射、機械による治療やリハビリなどを組み合わせて治療します。

交通事故・仕事中のケガ

不慮の事故では、あとから体の痛み・しびれ・重だるさなどの不快な症状が出ることがあります。最初に正しい診断を受けて、事故後の体の変化を確認しておくことが大切です。事故の衝撃や、無意識に全身が強く緊張することにより、首や腰の筋肉や靱帯を損傷することがあります。通常でも受傷から数週間は痛みや違和感が続きますが、長く安静にしすぎたり、逆に動かしすぎると症状がさらに長引くことがあります。

事故の直後は症状が軽いことがあり、最初の治療は飲み薬・シップと経過観察が中心ですが、すぐに完治しない場合には注射やリハビリなどを行います。

首の症状

首・肩・腕の痛みやしびれだけでなく、首以外にも症状がおきることがあります。手先が器用でなくなったとか、歩くときの違和感や、体の硬さや傾きなどで気付くこともあります。首には手足の神経が集まっており、様々な原因で神経が圧迫されたり損傷されることがあるためです。麻痺などの重大な症状に気づいていないことがあるため慎重に診断します。

治療は痛みが強い時期は一時的に頚椎カラーなどで安静にしますが、長く固定しすぎないことが大切です。鎮痛剤や神経ブロックなどで痛みを和らげて、頚椎牽引や物理療法やリハビリなどを行います。

【病名】頚椎椎間板ヘルニア/頚椎症性脊髄症/頚椎症性神経根症/後縦靱帯骨化症/斜頚/外傷性頚部症候群/胸郭出口症候群/脊柱側弯症/脊髄損傷/脊髄腫瘍など

肩の症状

肩の病気にはさまざまな症状があります。動かしたときの痛み、夜間の痛み、激痛、腕があがらない、違和感など。原因にはスポーツやケガのほかにも、姿勢、長時間の作業、加齢や炎症、神経の圧迫、眼科や耳鼻科や内臓の病気から来る場合などがあります。

治療は骨折や脱臼に対する固定、薬物(飲み薬、シップ、注射)、機械による物理療法、リハビリなどをまず行います。痛くならない体の動かし方や、目的別のストレッチも指導します。

【病名】肩こり/鎖骨骨折/上腕骨骨折/肩鎖関節脱臼/五十肩(肩関節周囲炎)/肩腱板断裂/石灰沈着性腱板炎/腕神経叢損傷/胸郭出口症候群/反復性肩関節脱臼など

腕・肘・手の症状

腕から指までは複雑な動きをするので、動かしにくい、動かすと痛い、ぎこちない、感覚がにぶいなどの、いろいろな症状があります。これらの症状の原因はケガ・スポーツ・使いすぎなどによる損傷や変形などのほかに、妊娠・出産・更年期・透析などによる体内のむくみが原因になって発生することがあります。

治療の基本は、からだが自分で修復する作用を邪魔しないことです。ずれや変形を元に戻し、損傷した場所が動かないようにバンドやスプリントや装具などで固定し、 感染や炎症を薬で抑え、緊張やこわばりや血流が悪くなった部分を機械やトレーニングやストレッチなどで改善させるなどの保存的治療を行います。

【病名】橈骨神経麻痺/尺骨神経麻痺/正中神経麻痺/前骨間神経麻痺・後骨間神経麻痺/肘部管症候群/テニス肘(上腕骨外側上顆炎)/肘内障/上腕骨顆上骨折/野球肘/変形性肘関節症/橈骨遠位端骨折(コレス骨折・スミス骨折)/手根管症候群/舟状骨骨折/キーンベック病/ドケルバン病/ガングリオン/ばね指/母指CM関節症/ヘバーデン結節/マレット変形/指の屈筋腱損傷/強剛母指/爪周囲炎/デュピュイトラン拘縮など

腰・股関節・下肢の症状

腰から下半身にかけての痛みや動作の困難が、日常生活に支障をきたすことがあります。原因は多岐にわたりますが、神経や関節に損傷や炎症をきたした場合や、それ以外にも内科、泌尿器科、婦人科の疾患が原因であったり、原因不明の非特異的腰痛も考えられます。また麻痺などの重大な症状に気づいていないことがあるため慎重に診断します。

治療は、まず痛みを抑えるために薬や固定や注射などを行います。その後は物理療法やリハビリを行います。 物理療法は体のこわばりの軽減や血行の改善などが目的です。リハビリは症状の緩和や動作の安定性とバランスの改善が目的ですが悪化を予防する意味もあります。必要に応じて骨粗鬆症の治療も行います。

【病名】腰痛/腰椎椎間板ヘルニア/腰部脊柱管狭窄症/腰椎変性すべり症/腰椎分離症・分離すべり症/側弯症/脊髄腫瘍/転移性脊椎腫瘍/脊髄損傷/後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症/ロコモティブシンドローム/O脚・X脚/腓骨神経麻痺/変形性股関節症/発育性股関節形成不全/臼蓋形成不全/特発性大腿骨頭壊死症/大腿骨頚部骨折/鼠径部痛症候群/骨盤骨折など

膝の症状

痛み、曲げ伸ばしの不自由、腫れ、違和感、歩行の困難感、神経の麻痺などの症状を引き起こすことがあります。

原因は強い力や使いすぎ、不適切な練習環境、加齢、肥満、過去のケガの影響などが考えられます。治療には飲み薬や注射、装具、機械を使った治療、体重管理、筋肉や関節のリハビリや環境整備のアドバイスなどがあります。

【病名】変形性膝関節症/膝蓋骨骨折/脛骨高原骨折/半月板損傷/膝靱帯損傷/膝離断性骨軟骨炎/オスグッド病/スポーツによる膝の慢性障害/膝蓋骨脱臼/腓骨神経麻痺/O脚・X脚/膝関節捻挫など

足・足首・足指の症状

症状としては痛みや音や衝撃を感じたり、変形や皮下出血を生じたり、歩きにくくなることがあります。転倒・転落やスポーツなどのケガや、同じ場所に繰り返し負担がかかることなどが原因となります。

治療は、損傷した組織を元の形に戻し、患部の安静のため杖を使ったり装具で固定したりします。飲み薬やシップなどで痛みと炎症を抑えて悪化を防ぎ、後遺症を予防するためマッサージやストレッチを行なったり、身体能力を回復させるリハビリなどを行います。

【病名】足関節捻挫/足関節果部骨折/アキレス腱断裂/肉離れ/距骨骨軟骨損傷 外反母趾/内反足/モートン病/腓骨神経麻痺/痛風/足の慢性障害/足底腱膜炎など